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初心者向け解説

駅やカフェの「フリーWi-Fi」、そのまま繋いで大丈夫か。安全な使い方を確認する

公衆Wi-Fiに潜む偽アクセスポイントのリスクと、接続前に確認すべきポイントを、総務省・IPAの公式情報をもとに整理した

30秒で分かる結論

  • 駅やカフェ、空港などで提供されている「フリーWi-Fi」の中には、暗号化が弱かったり、悪意のある第三者が用意した偽アクセスポイントが紛れていたりする場合があります。
  • 総務省とIPA(情報処理推進機構)は、接続前にアクセスポイント名を確認すること、暗号化方式がWPA2・WPA3であることを確かめること、重要な情報の入力を避けることを呼びかけています。
  • IPAの調査では、公衆無線LAN利用時の基本的なセキュリティ対策を実施している人の割合は2〜3割程度にとどまっているとされ、対策の実施率自体が低い状況です。
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まず初めに

「無料」の2文字を見た瞬間に警戒心を明け渡してしまう生き物、それが人間だ。パスワードも聞かれず面倒な設定もなく、繋いだ瞬間にネットが使える——この便利さの代償を、多くの人はよく考えずに払っている。実際、対策をしている人はわずか2〜3割程度だというのだから、残り7割は玄関の鍵を開けたまま買い物に出かけているようなものだ。もっとも、電波に紛らわしい名前がいくつも並ぶ光景を見れば、多少は警戒したくもなるだろう。※個人の感想です

何が起きているのか

公衆無線LAN(いわゆる「フリーWi-Fi」)は、駅・カフェ・空港・宿泊施設などで、利用者が契約なしにインターネットへ接続できるサービスとして広く提供されています。総務省は公式サイト「無線LAN(Wi-Fi)の安全な利用(セキュリティ確保)について」で、公衆無線LANを安全に利用するためのポイントを公開しています。

総務省の案内によると、注意すべき点の一つは、悪意のある第三者が正規のサービスに似せた名前のアクセスポイント、いわゆる偽アクセスポイントを用意し、利用者を接続させたうえで、入力したIDやパスワードなどの情報を盗み取るケースがあるという点です。接続先のアクセスポイント名(SSID)を、施設内の案内表示や公式情報で確認せずに、似たような名前のアクセスポイントへ安易に接続してしまうと、通信内容を第三者に見られてしまうおそれがあります。また、通信を暗号化する仕組みが備わっていない、または暗号化の強度が弱いアクセスポイントも存在し、この場合はやり取りされる通信内容そのものが読み取られやすくなるとされています。

IPAが公開している技術レポート「公衆無線LAN利用に係る脅威と対策」でも同様の注意点が示されており、旅行や外出の前に端末のOS・ソフトウェアを最新の状態に更新しておくこと、個人情報や機密情報など盗まれて困る情報は原則として入力しないこと、やむを得ず入力する場合は接続先がHTTPS(通信が暗号化された状態)であることを確認するか、VPNの利用を検討することなどが呼びかけられています。IPAの調査では、こうした基本的な対策を実施している人の割合は2〜3割程度にとどまっているとされ、対策の周知と実施率の間にはまだ差がある状況です。

なぜ重要なのか

公衆無線LANが狙われやすい理由は、不特定多数が同じネットワークに接続する環境そのものが、悪意のある第三者にとって多くの利用者に一度に近づける場所になるためです。自宅や職場のネットワークであれば接続する人がある程度限定されますが、駅やカフェのフリーWi-Fiは誰でも接続できることが前提のため、同じネットワークの中に攻撃者が紛れ込んでいても、利用者側からは気づきにくいという構造的な弱さがあります。

とりわけ、偽アクセスポイントに接続してしまった場合、通信内容そのものが第三者を経由する形になるため、暗号化されていない通信であれば、入力した内容が筒抜けになる可能性があります。ネットショッピングのログイン情報や、メールの内容など、日常的にやり取りしている情報がこうしたリスクにさらされる場面は、決して珍しくありません。

私たちへの影響

外出先でスマートフォンやパソコンを使う機会が多い人ほど、公衆無線LANを利用する頻度も高くなります。通勤・通学中の駅、外出先のカフェ、旅行先のホテルなど、フリーWi-Fiを見かける場面は日常的にあります。特に海外旅行中は、モバイル通信の料金を節約する目的で現地のフリーWi-Fiに頼る場面が増えるため、より注意が必要になります。

一方で、接続するアクセスポイントさえ正しく選び、重要な情報の入力を避けるといった基本的な対策を取っていれば、過度に恐れる必要はありません。総務省・IPAとも、フリーWi-Fi自体を使わないよう呼びかけているわけではなく、あくまで安全な使い方を心がけることを呼びかけています。

初心者が知っておくべきこと

接続前に確認したいポイントは、次の3つです。

  1. アクセスポイント名(SSID)を確認する: 施設の公式な案内表示や、店員への確認などを通じて、正しいアクセスポイント名を確認してから接続します。似たような名前の未確認のアクセスポイントには接続しません。
  2. 暗号化方式を確認する: 接続先の暗号化方式がWPA2またはWPA3であることを確認します。暗号化がされていない、または古い方式のみのアクセスポイントへの接続は避けます。
  3. 重要な情報の入力を避ける: パスワードやクレジットカード情報など、盗まれて困る情報の入力は、公衆無線LAN上では原則として避けます。どうしても必要な場合は、接続先のアドレスがHTTPS(鍵マークが表示される暗号化された通信)になっているかを確認するか、VPNぶいぴーえぬを利用します。

VPN(仮想プライベートネットワーク)は、利用している回線の途中に暗号化された専用の通信経路を作ることで、公衆無線LANのような不特定多数が使うネットワーク上でも、通信内容を第三者から読み取られにくくする仕組みです。

よくある質問

Q. スマートフォンの設定で、公衆無線LANのリスクを減らす方法はありますか。

iPhone・Androidとも、一度接続したWi-Fiに自動的につながる設定になっていることが多いため、使わなくなった公衆無線LANの接続情報は、設定画面から削除しておくと、意図しない自動接続を防げます。Wi-Fiの自動接続機能自体をオフにしておき、必要なときだけ手動で接続先を選ぶという方法もあります。

Q. モバイル通信(4G・5G)とフリーWi-Fi、どちらが安全ですか。

総務省・IPAの案内では、フリーWi-Fiそのものを危険と決めつけているわけではなく、正しい確認と対策を前提とした利用を呼びかけています。ただし、通信事業者が提供するモバイル通信は、通信経路自体が契約者ごとに区別されているため、不特定多数が同じネットワークに接続する公衆無線LANに比べて、構造的なリスクは相対的に低いとされています。

IT Postの見方

IT Postでは、フリーWi-Fiのリスクは目新しい話ではなく、対策の中身もずっと変わっていないと考える。それでも実施率が2〜3割にとどまっているのは、知らないからではなく「面倒だから」「今まで大丈夫だったから」という、いつもの油断が理由だろう。鍵をかけ忘れた家に、たまたま泥棒が来なかっただけなのに「うちは大丈夫」と思い込むのと同じ構造だ。3つの確認ポイントは、慣れれば数十秒で終わる話でしかない。無料の代償を払うのが自分の個人情報になってからでは遅い。※個人の感想です

今後どうなりそうか

主要なスマートフォンOSでは、暗号化されていないWi-Fiへの接続時に警告を表示する機能が強化される傾向にあり、利用者が気づかないまま危険な接続をしてしまう場面は徐々に減ってきています。とはいえ、警告を無視して接続してしまえば意味がないため、最終的には利用者自身が接続前に一呼吸置いて確認する習慣を持つことが、引き続き最も確実な対策です。IT Postでは、公衆無線LANに関する制度・技術面の変化についても、今後取り上げていきます。

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