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AI・生成AI

Mistral Large 4が公開プレビュー。1兆パラメータの実力、料金、10月末の重み公開を確認する

APIは今、重みは10月末の公開予定。Mistral Large 4の独立評価81.7%の採点条件、49Bと52Bの違い、通常料金と2週間の半額、プレビューの制限を整理する

30秒で分かる結論

  • Mistral Large 4は10月6日にAPIの公開プレビューを開始しました。重みは10月末の公開予定で、Hugging Faceの予告は10月31日です
  • CyberGym-E2E-AAでは81.7%で首位ですが、採点条件があります。総合能力や日本語業務での品質まで首位という意味ではありません
  • APIのStandard通常料金は100万トークンあたり入力1.36ドル・出力4.18ドル。開始時の2週間は半額ですが、導入判断では割引終了後の費用とプレビューの変更可能性も確認が必要です
この記事の目次 7項目
出典を確認する(10件)
Mistral Large 4のAPI公開プレビュー、10月31日の重み公開予定、Standard通常料金と開始時割引を整理した説明図。
公式資料を基に編集部が作成した説明図。公開予定は確約ではなく、実際の製品画面やAPI実測ではありません。 IT Post編集部作成

まず初めに

1兆パラメータ。名刺に印刷したら、数字だけで会議室が少し狭くなりそうだ。しかも登場記念に半額。「大きい、強い、今ならお得」と来ると、つい買い物の脳になる。だが会社のAIを選ぶなら、巨大な看板より、仕事が終わったあとの請求書だ。筋肉自慢を採用面接の代わりにしてはいけない。

※個人の感想です

今使えるのはAPI。重みは10月末の予定

Mistral AIは2026年10月6日、Mistral Large 4のPublic Previewを発表しました。Mistral StudioでプレビューAPIを試せる段階です。テキストと画像を入力し、コード生成やツールを使う処理に利用できるモデルとして案内されています。

公式モデル資料には、Function Calling、構造化出力、文書への質問、Agents & Conversationsなどの対応機能が載っています。APIで呼び出して自分のアプリに組み込む選択肢と、モデルの重みを取得して自分で動かす選択肢は、時期を分けて考える必要があります。

発表は重みを10月末に公開すると説明し、Mistral公式のHugging Face予告ページは10月31日を現在の予定日(ETA)としています。10月7日時点では公開予告であり、重みを既にダウンロードできるという案内ではありません。予定日は確約とも区別します。

9月の欧州AIとMistralの動きを整理した記事に対し、今回は新モデルを使う際の性能評価、料金、公開条件を確認する続報です。

「49B」と「52B」は何が違うのか

Large 4は、処理に使う部分を選ぶMoE(Mixture-of-Experts)方式です。公式モデル資料の総パラメータ数は1.05T、約1兆500億です。一方、発表本文は約1兆・アクティブ49Bと説明し、モデル資料はアクティブ52Bとしています。

この違いは、公式HF予告ページで説明されています。**トークンごとのアクティブ部分が49B(490億)、埋め込みと出力層を含むと52B(520億)**という集計範囲の違いです。数字だけを並べて矛盾としたり、49Bだけを根拠にモデル全体の保存容量や必要メモリーを判断したりしないようにします。

一度に扱う文脈の長さも、資料を分けて読む必要があります。公式モデル資料と変更履歴は100万トークンのコンテキストを案内していますが、AAの10月6日付分析とVals AIの掲載値は512kです。ここでは差の理由を確認できていないため、どのAPI経路・モデル識別子・上限で試すのかを導入時に確認します。公称上限を、そのまま全ての利用経路や評価条件に当てはめることはできません。

CyberGymの81.7%は、何に成功した数字か

10月7日の確認時点で、Artificial AnalysisのCyberGym-E2E-AAはLarge 4 Previewのpass@1を81.7%とし、掲載モデル中の首位に置いています。これは実際のC/C++オープンソースプロジェクトのメモリー安全性の問題を扱う、独立機関による評価です。

採点上の成功には、次の3条件が必要です。

  1. 作成したPoC(問題を再現する入力)で、修正前のプログラムがクラッシュする
  2. エージェント自身のパッチを適用すると、そのクラッシュが止まる
  3. 修正後も、開発者が作った機能テストが通る
CyberGym-E2E-AAの成功条件3段階と、正解の脆弱性修正は採点外の診断項目であることを整理した説明図
Artificial Analysisの採点条件を基に編集部作成。81.7%は2026年10月7日の確認値で、一般業務の成功率ではありません。 IT Post編集部作成

評価が想定した正解の脆弱性まで修正したか、という第4段階は診断として記録されますが、得点には入りません。 81.7%を「実際の脆弱性の81.7%を完全に直せる」と読み替えることはできません。また、これは評価用に選別した課題と実行環境での値であり、一般のコード監査の成功率ではありません。

Artificial Analysisの10月6日付の分析では、Intelligence Indexが38、Cyber Indexが50です。一方、Vals AIのモデルページでは、確認時のVals Indexが44モデル中32位でした。評価の課題や尺度が違うので、この順位を直接平均したり、ある専門分野の首位を総合首位へ広げたりしません。日本語での回答品質も、この結果だけでは判断できません。順位は掲載モデルや評価の更新で変わります。

APIはいくらか。半額と通常料金を分ける

公式料金表のStandard料金は、以下のとおりです。単位は米ドル/100万トークンです。

課金区分 通常料金 開始時の半額料金
入力 1.36ドル 0.68ドル
キャッシュ済み入力 0.14ドル 0.07ドル
出力 4.18ドル 2.09ドル

変更履歴は「開始時の2週間は50%割引」としています。恒久的な値下げではありません。割引終了の正確な時刻や個別契約への適用まで、この表だけで確定できるわけではないので、使う時点の料金と適用条件を確認してください。BatchやPriority、地域別の条件も、ここに載せたStandard条件と分けて確認します。

Artificial Analysisは、自機関のIntelligence Index評価でのタスクあたり費用を通常料金で1.13ドル、開始時の割引で約0.57ドルと報告しています。これはその評価条件での費用であり、読者の仕事1件がその金額で終わるという見積もりではありません。

「Open」と本番で使う条件は、別に確認する

公式モデル一覧はLarge 4を「Open」と表示しています。ただし、その分類だけではライセンス条項の確認にはなりません。今回確認した公開予告の段階では、公開予定の重みについて具体的なライセンス条件を確認できていません。Apache 2.0やMIT、無条件の商用利用可と断定せず、実際の重み公開時に利用・再配布・改変の条件を確認する必要があります。

APIも正式提供(General Availability)とは区別します。Mistralのモデルライフサイクル方針では、Public Previewは通知なしの更新を認め、GAへ進む保証もなく、GA前に終了する可能性があります。

今回のモデル資料に載る識別子はmistral-large-4です。プレビューでは識別子を記録しても、挙動が固定される保証にはなりません。

IT Postの見方

IT Postでは、Large 4は自分の仕事で比較する候補に値すると考える。サイバー分野の独立評価で見せた強さと、重み公開の計画は面白い。ただし、1兆という数字だけで乗り換える理由にはならない。

IT Postでは、単価よりも、合格条件を満たした仕事1件の費用で比べるのが実用的だと考える。再試行したAPI利用と、人が確認・修正する時間も含めて、従来の方法と同じ品質で比べる。半額期間の結果を、通常料金の採算に化けさせない。

評価日、実際に呼び出したモデルID、設定、入力と出力、API利用量と費用を残す。IT Postでは、変更後にも同じ仕事を評価し直せる形にしておくのが妥当だと考える。プレビューを使う以上、「昨日は動いた」を運用計画の全部にはできない。

Mistralは、欧州にある自社データセンターのNVIDIA Grace Blackwell GPU 3,800基でゼロから学習し、公開プレビューも同じ基盤で提供していると説明する。これは同社の発表であり、IT Postが設備を独自に確認したものではない。運用基盤を自分たちで持つ姿勢は、AIをどこで、誰の条件で動かすかという選択肢として注目したい。

だが、主権という立派な看板も、こちらの請求書を肩代わりはしてくれない。まずは自分の日本語資料、ツール呼び出し、回答の根拠確認で、仕事が終わる品質と費用を比べる。重みが出たら、ライセンスと自前運用の設備費を確認する。半額の札に手を振る前に、通常料金の電卓を叩く。その順番なら、筋肉自慢にもちゃんと仕事をしてもらえる。

※本記事は2026年10月7日時点の公開資料を確認して作成しました。IT PostによるAPI実測や独自ベンチマークは行っていません。料金、順位、公開予定、提供条件は変わる可能性があります。

訂正履歴

  • コンテキスト上限の「512k(51.2万)」から未確認の数値換算を削除し、AAの10月6日付分析とVals AIの掲載値であることを明確にしました。資料間の表記の意味を固定せず、512kの表記を維持しています。

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