アプリ・スマートフォンAndroidのマイナンバーカードは10月20日開始予定。まず対面、対応端末と受け入れ側の条件を確認する
10月2日の発表は10月20日開始予定で、最終テスト次第で変更の余地あり。まず拡大する対面サービスと、オンラインなどの将来用途、対応端末・読み取り側の条件を整理する
まず初めに
スマホにカードが入ったからといって、窓口の読み取り機まで魔法で対応するわけではない。「スマホ一つで便利になる」という看板の裏には、端末の条件と受け入れ側の準備がある。万能の身分証を手に入れたつもりで受付に行っても、読めなければそこで順番待ちだ。便利さを見るなら、入口と出口の両方を見たい。※個人の感想です
何が起きているのか
10月2日の公式発表は、Googleウォレットに搭載する「Androidのマイナンバーカード」を10月20日に開始予定としています。最終テストでさらに確認が必要になった場合は、予定日を変更することがあると明記しています。デジタル庁は2023年5月から、Android向けに「スマートフォン用電子証明書」をすでに提供していますが、今回の発表はこのサービスを刷新するものです。
これまでのスマートフォン用電子証明書では、本人確認に利用する「属性証明機能(カード代替電磁的記録)」が実装されていませんでした。新しい「Androidのマイナンバーカード」では属性証明機能が加わる予定です。刷新の予告は、金融機関の口座開設、携帯電話の契約、オンラインや店舗での本人確認・年齢確認などの拡大用途を説明しています。しかし、10月2日の開始日発表がまず挙げているのは、リリース以降の官民の対面サービスにおける本人確認・年齢確認・住民確認です。予告にある用途が、すべて10月20日から利用できるという意味ではありません。
なお、電子証明書によるオンライン申請やコンビニ交付などは、Androidで既に利用できる機能として案内されています。新しい属性証明機能のオンライン用途と、既存の電子証明書のオンライン利用は区別が必要です。
利用できるのは、一定の基準を満たすセキュリティチップを搭載したAndroid端末に限られます。対応端末の詳細は、提供開始予定日である10月20日までに、デジタル庁の公式サイトに掲載される予定です。各サービスの受け入れ側にも読み取り対応が必要です。デジタル庁は、無償の「マイナンバーカード対面確認アプリ」をダウンロードして読み取りに対応できると案内しています。利用者が対応端末を持つことと、窓口が受け入れに対応していることは、別々に確認する必要があります。
なぜ重要なのか
iPhoneのマイナンバーカードの提供開始は2025年6月24日です。一方、Androidのスマホ用電子証明書は2023年5月から提供済みです。今回の違いはAndroidへの属性証明機能の追加であり、iPhoneだけが数年間スマホでカードを使えた、という経緯ではありません。日本国内のスマートフォン利用者のうち、Android端末を使う人の割合は少なくないため、対応機種が広がることで、マイナンバーカードをスマートフォンで利用できる人の総数が大きく増えることになります。
また、属性証明機能によって、物理的なカードを持ち歩かずに本人確認・年齢確認ができるようになる点も見逃せません。従来、オンラインサービスでの年齢確認や本人確認では、運転免許証やマイナンバーカードの画像をアップロードする方式が広く使われてきましたが、こうした方式は画像の悪用や漏えいのリスクを伴います。スマートフォンに搭載した証明機能で必要な属性だけを証明できるようになれば、こうしたリスクを抑えられる可能性があります。
私たちへの影響
利用者は、まず自分の端末が対応するかと、利用したい対面サービスが読み取りに対応するかを確認する必要があります。10月20日開始予定という日付だけで、オンラインストアの年齢確認、銀行の口座開設、携帯電話の契約が同日から利用できると判断しないでください。端末の詳細やサービスの受け入れ状況は、デジタル庁と利用先の最新案内で確認してください。
店舗や企業の窓口業務を担う事業者にとっては、無償の「マイナンバーカード対面確認アプリ」を導入することで、対面での本人確認・年齢確認の手続きを簡略化できる可能性があります。本人確認の手間が減ることは、来店者の待ち時間短縮にもつながると考えられます。
よくある質問
Q. 自分のAndroid端末が対応しているか、今すぐ分かりますか?
A. 10月2日の発表は、一定の基準を満たすセキュリティチップを搭載した端末が対象で、詳細は10月20日までに公式サイトへ掲載予定としています。新しい案内が出ていないか、公式のサービスページで確認してください。
Q. 今使っている「スマートフォン用電子証明書」はどうなりますか?
A. デジタル庁の発表によれば、今回の「Androidのマイナンバーカード」は、2023年5月から提供されている既存のスマートフォン用電子証明書サービスを刷新するものです。新たに属性証明機能が追加される点が、現行サービスとの違いです。
初心者が知っておくべきこと
「属性証明機能」とは、氏名・住所・生年月日といった、マイナンバーカードに記録された情報の一部(属性)を、カードそのものを提示せずに証明できる仕組みのことです。マイナンバーカード自体をコピーしたり画像で見せたりする必要がないため、必要以上の個人情報を相手に渡さずに本人確認や年齢確認ができる点が特徴です。
「生体認証」とは、指紋や顔など、本人の身体的な特徴を使う認証技術です。刷新の予告では、生体認証を使った本人確認を拡大用途として説明しています。これも、どのサービスでいつ受け入れるかという提供条件とは分けて読む必要があります。
IT Postの見方
IT Postでは、必要な属性を証明する仕組みが広がる方向を評価したいと考えます。ただし、10月20日にまず拡大する対面サービスと、その先のオンラインなどの用途を一つの「全部使える」箱に入れてはいけません。
対応端末の詳細は10月20日までに掲載予定であり、締め切り直前に公表すると決まったわけではない。気にしたいのは、スマホ側の仕様表だけで盛り上がり、窓口が読めるかを忘れることだ。カードをスマホへ引っ越しても、受付の準備まで同じトラックに載ってくるわけではない。IT Postでは、端末と受け入れ側の両方の案内が分かりやすく揃うかを確認したいと考えます。※個人の感想です
今後どうなりそうか
対応端末の詳細、各サービスの読み取り対応、最終テストを踏まえた開始日の案内が確認点です。10月20日は予定日であり、追加確認が必要なら変更される場合があります。IT Postでは、対応機種の詳細が判明した段階で、改めて取り上げます。