30秒で分かる結論
スマートフォンやパソコンに保存した写真・連絡先・書類などのデータは、端末の故障・紛失・盗難や、データを暗号化して身代金を要求する「ランサムウェア」の被害に遭うと、突然すべて失われる可能性があります。Google・Apple・Microsoftはいずれも、クラウドストレージやパソコン内蔵の機能を使った自動バックアップの仕組みを公式サポートページで案内しています。この記事では、Androidの「Google One」・iPhoneの「iCloud」・Windowsの「バックアップ機能」を中心に、今日から始められるバックアップの基本的な考え方を確認します。
まず初めに
結論から言おう。バックアップというのは、火災保険と同じで「入っておいてよかった」と思える瞬間は、たいてい入っていない時にしかやってこない。データが消えて初めて自分がいかに無防備だったかを思い知る、というのがこの手の話の定番オチである。しかも今どきは、うっかり壊すだけでなく、ランサムウェアという犯罪者にわざわざデータを人質に取られるケースまであるというから、バックアップを取らない理由を探すほうがよほど難しい時代になった。※個人の感想です
なぜバックアップが必要なのか
バックアップとは、パソコンやスマートフォンに保存されているデータの複製を、別の場所(クラウドサービスや外付けの記憶装置など)にも保存しておくことです。端末が壊れたり、紛失・盗難に遭ったりした場合はもちろん、悪意のある第三者がデータを勝手に暗号化して身代金を要求する「ランサムウェア」に感染した場合にも、バックアップさえ別の場所に残っていれば、身代金を支払うことなくデータを復元できる可能性が高まります。
「バックアップは大事」と分かっていても、実際に取っている人は意外と少ない、というのがこの手の話のお約束である。
Google・Apple・Microsoftは、いずれも自社の公式サポートページで、クラウドサービスや端末の標準機能を使ったバックアップの手順を案内しています。特別なソフトを追加で購入しなくても、設定を1つ有効にするだけで自動的にバックアップが行われる仕組みが多く用意されています。
端末ごとの基本的なバックアップ方法
Googleの公式サポートページによれば、Android 8以降を搭載したスマートフォンでは、Googleアカウントを使って端末のデータをバックアップできます。バックアップしたデータは、機種変更時や、端末を工場出荷時の状態にリセットした後の復元に利用でき、復元には端末の状況によりおよそ24時間ほどかかる場合があるとされています。
Appleの公式サポートページによれば、iPhoneは「iCloudバックアップ」を有効にしておくと、端末が電源に接続され、ロックされ、Wi-Fiに接続されている状態のときに自動的に毎日バックアップが行われます。設定は「設定」アプリから「自分の名前」→「iCloud」→「iCloudバックアップ」の順に進み、「このiPhoneをバックアップ」を有効にすることで利用できます。
Microsoftの公式サポートページによれば、Windowsパソコンでは「Windowsバックアップ」機能や、クラウドストレージ「OneDrive」を使ったフォルダーのバックアップが用意されています。OneDriveでフォルダーをバックアップすると、ドキュメントやデスクトップ内のファイルがOneDriveへ同期され、他のパソコンやスマートフォンからもアクセスできるようになります。
私たちへの影響
バックアップを取っていない状態で端末が故障したり、ランサムウェアの被害に遭ったりすると、思い出の写真や仕事の書類を含む、これまでのデータをすべて失うことになりかねません。特に、スマートフォンを2年、3年と長く使い続けている場合、バックアップの設定を一度も見直していないケースも少なくありません。この機会に、自分のスマートフォンやパソコンでバックアップが実際に有効になっているかどうかを確認しておくことをおすすめします。
初心者が知っておくべきこと
バックアップの基本的な考え方として、セキュリティの専門家の間では「3-2-1ルール」と呼ばれる目安がよく紹介されます。データを3つ以上のコピーとして保存し、2種類以上の異なる保存先(クラウドと外付けディスクなど)を使い、そのうち1つは自宅や職場とは別の場所(クラウド上など)に置く、という考え方です。すべてを厳密に守る必要はありませんが、「クラウドへの自動バックアップ」と「端末内のデータ」という最低限2つの場所にデータがある状態を作っておくだけでも、被害を大きく減らせます。
「ランサムウェア」とは、感染した端末の中のデータを勝手に暗号化し、元に戻すことと引き換えに金銭(身代金)を要求する不正なソフトウェアのことです。バックアップが別の場所に残っていれば、身代金を支払わずにデータを復元できる可能性が高まります。
よくある質問
Q. バックアップにはお金がかかりますか。
GoogleやAppleが提供する無料のクラウドストレージには、一定の容量まで無料で使える範囲が用意されています。無料分を超える場合は、有料プランへの加入が必要になりますが、まずは無料の範囲内で自動バックアップを有効にしておくだけでも、何もしないよりはるかに安全です。
Q. バックアップを取っていれば、ランサムウェア対策は万全ですか。
バックアップは被害からの「復旧」を助ける対策であり、感染そのものを防ぐものではありません。不審なメールの添付ファイルを開かない、ソフトウェアを最新の状態に保つといった基本的な対策とあわせて実践することが重要です。
IT Postの見方
IT Postでは、バックアップという地味な作業が後回しにされがちな背景には、被害に遭うまでその必要性を実感しにくいという、人間の心理的な特性があるのではないかと考えます。バックアップの手順自体はGoogle・Apple・Microsoftのいずれも数クリックで済むように整備されていますが、それでもなお実践している人が限られているのは、案内の分かりやすさだけの問題ではなく、日頃からの習慣づけが必要な領域だからではないかとIT Postでは考えます。自動バックアップの設定を、端末を購入した直後の「初期設定」の一部として当たり前に済ませておく習慣が、社会全体にもう少し浸透してもよいのではないかとIT Postでは考えます。※個人の感想です
今後どうなりそうか
クラウドストレージの容量拡大や自動化が進むにつれ、バックアップにかかる手間は今後さらに小さくなっていくとみられます。一方で、ランサムウェアなどのデータを人質に取る攻撃の手口は今後も変化し続けるとみられ、バックアップは引き続き基本的な備えの1つであり続けると考えられます。IT Postでは、関連する新しい脅威や対策が明らかになり次第、あらためて取り上げます。




