アプリ・スマートフォンApp Storeの見え方は、今後どう変わるのか。Appleが追加した新アセットとApp Store Connectの新機能を確かめる
Appleが2026年10月5日に発表した、App Store向けの新しい画像・動画素材「商品ページヘッダー用」「検索結果用」と、App Store Connectの新機能「プレビュー」「アセットライブラリ」の内容を確かめた
まず初めに
App Storeという棚に、またAppleが新しい"POP広告"を足してきた。「商品ページヘッダー用」「検索結果用」という、名前だけ聞くと立派な新アセットだが、提供開始の具体的な日付は発表本文にない。一方、寸法や形式はリンク先の公式仕様表に載っている。開発者は発表本文と仕様表を行き来して、いつ何を用意できるかを切り分ける必要がある。※個人の感想です
何が起きているのか
Appleは2026年10月5日、開発者向けサイト「Apple Developer」のニュース欄で「Showcase your apps with new assets on the App Store(App Storeの新しいアセットでアプリを紹介する)」という記事を公開しました。内容は、App Store上でアプリやゲームを目立たせるための新しいクリエイティブ素材と、App Store Connect(開発者がアプリを管理する画面)の新しい管理ツールについてです。
新しい素材は、「商品ページヘッダー用アセット」と「検索結果用アセット」の2種類です。いずれも画像・動画の形式で用意でき、既存の「App Previews(アプリプレビュー)」やスクリーンショットを補完し、App Store上での見え方・露出を増やすものとされています。用途としては、ブランドの訴求、季節キャンペーンの告知、新しいコンテンツの紹介などが挙げられています。Appleはこれに合わせて、素材作りの指針とダウンロード可能なテンプレートも提供するとしています。テンプレートまで用意してくれる律儀さはありがたいが、寸法や形式はリンク先の公式仕様表で確認できる。
あわせて、AppleはApp Store Connectの2つの新機能を案内しています。1つ目は「プレビュー機能」です。アプリを提出する前に、クリエイティブ素材・スクリーンショット・その他のメタデータが、商品ページや検索結果でどのように表示されるかを確認できます。ダークモードや、異なる機種・画面の向きにも対応しているとされています。2つ目は「アセットライブラリ」です。クリエイティブ素材・スクリーンショット・アプリプレビューを一か所にまとめてアップロード・整理できる機能で、実際に使う予定より前の時点でも登録できます。たとえば、将来の季節キャンペーン用の素材を先に審査へ提出しておき、使うタイミングが来たらすぐに公開する、という使い方が例として挙げられています。
Appleの10月5日の発表本文には、新素材やApp Store Connectの新機能について、提供開始の具体的な日付は示されていません。一方、発表からリンクされた「Creative assets specifications」には素材の仕様が公開されています。たとえば、商品ページヘッダー向け画像は21:9・3840×1646ピクセル、検索結果向け画像は3:2・最小1920×1280ピクセルの形式が記載され、動画はいずれも5~30秒です。掲載場所や縦横比によって形式が異なるため、制作時には公式仕様表の各行を確認する必要があります。
なぜ重要なのか
この発表が重要な理由は、App Storeでのアプリの見え方を左右する要素が、従来のスクリーンショットやアプリプレビューに加え、商品ページヘッダーと検索結果用アセットが選択肢に加わる点です。これまでApp Storeの商品ページ・検索結果での見せ方を工夫する手段は限られていましたが、今回の追加によって、開発者がブランドや季節性を打ち出す余地が広がります。
もう一つの理由は、App Store Connectの新機能が、提出前の確認作業を効率化する方向のものである点です。これまで、商品ページや検索結果での実際の見え方は、提出・公開してみないと正確には分からない部分がありました。新しい「プレビュー機能」は、ダークモードや機種・画面の向きの違いまで含めて事前確認できるとされており、公開後の見た目の不一致やミスを減らす効果が期待できます。アセットライブラリによる事前登録も、キャンペーンのタイミングに合わせて素材を即座に切り替えられるようにする仕組みで、季節商戦などに合わせたマーケティングの運用がしやすくなると考えられます。
私たちへの影響
一般の利用者にとっての直接の影響は、App Storeでアプリやゲームを探しているときに、これまでのスクリーンショットやアプリプレビューに加えて、新しい種類の画像・動画素材を目にする機会が増えていく可能性がある、という点です。商品ページや検索結果の見た目が、アプリによってはこれまでより装飾的・訴求力の強いものに変わっていくことが考えられます。
開発者・アプリ運営者にとっては、ブランドの見せ方や季節キャンペーンの告知手段が増える一方、新しい素材の作成・提出・管理という作業が追加で発生します。発表本文には具体的な提供開始日の記載がありません。制作を検討する開発者は、すでに公開されている公式仕様表で寸法・形式を確認し、実際の利用可能状況はApp Store Connectの案内と照合する必要があります。
初心者が知っておくべきこと
「App Previews(アプリプレビュー)」とは、App Storeの商品ページで再生できる、アプリの使用イメージを伝える短い動画のことです。「スクリーンショット」は、アプリの画面を静止画として見せるものです。今回追加される「商品ページヘッダー用アセット」「検索結果用アセット」は、これらとは別に用意する、ブランド訴求やアプリストア最適化(ASO)のための画像・動画素材という位置づけです。「App Store Connect」は、開発者がApp Storeへアプリを提出・管理するための管理画面のことです。
Q. 新しいアセットは、いつから使えるようになりますか。
A. 今回確認した発表(2026年10月5日公開)には、新しいアセットやApp Store Connectの新機能が実際に利用可能になる具体的な日付は記載されていません。分かっているのは発表日のみです。
Q. 利用者(アプリを使う側)への直接の影響はありますか。
A. 発表本文には、利用者への直接の影響は明記されていません。ただ、App Storeで新しい種類の画像・動画素材が使われるようになるため、アプリを探す際に目にする商品ページや検索結果の見え方が、今後変わっていく可能性があります。
IT Postの見方――テンプレートは配るが、肝心の「いつ」は配らない
IT Postは、今回の新アセット自体はまっとうな機能強化だと考えます。ブランドや季節キャンペーンを訴求する手段が増えるのは、開発者にとって素直にありがたい話だ。
ただ、Appleの発表の仕方には、毎度おなじみの"引っかけ"がある。テンプレートとデザイン指針はちゃんと配る。プレビュー機能やアセットライブラリの使い勝手も丁寧に説明する。寸法・形式はリンク先の仕様表で確認できる。気になるのは発表本文に具体的な提供開始日がない点だ。親切なショーウィンドウの説明員が、棚の寸法は教えてくれるのに、開店時刻だけ答えてくれないような居心地の悪さがある。IT Postでは、実際の利用可能状況と公式案内の更新を追いたいと考えます。※個人の感想です
今後どうなりそうか
今回確認した発表本文の範囲では、新素材・新機能の提供開始時期は明らかにされていません。画像・動画の寸法や形式はAppleの公式仕様表にすでに掲載されています。IT Postでは、提供開始時期の明示や仕様表の更新が確認できた場合に、あらためて取り上げます。