もう少し詳しく
量子コンピュータとは、電子や光子といった非常に小さな粒子が持つ「量子力学」特有の性質を利用して計算を行うコンピューターです。従来のコンピューターが情報を「0」か「1」のどちらか一方の状態(ビット)で表すのに対し、量子コンピュータは「量子ビット(キュービット)」と呼ばれる単位を使い、0と1が重なり合った状態を同時に扱うことができるとされています。この性質をうまく利用すると、組み合わせの数が膨大になる問題や、特定の暗号解読に関わる計算など、一部の種類の計算を従来型のコンピューターよりも大幅に高速に処理できる可能性があるとされています。
どこで使われるか
量子コンピュータは、新しい薬の候補となる分子の性質の計算、金融商品のリスク計算の最適化、渋滞を減らすための交通ルートの最適化など、組み合わせの数が膨大になる計算を必要とする分野での活用が研究されています。また、現在広く使われている暗号方式の一部は、将来的に量子コンピュータによって解読される可能性があるとされ、これに備えた新しい暗号方式(耐量子暗号)の研究も進められています。
身近な例
現時点で量子コンピュータは、非常に特殊な環境(極低温など)を必要とする大型の実験装置であり、パソコンやスマートフォンのように個人が日常的に使うものではありません。ニュースなどで「量子コンピュータで新記録」といった話題を見かけた場合、多くは研究機関や大手企業が保有する専用の実験設備を使った成果です。
注意点
量子コンピュータは、あらゆる計算を従来型のコンピューターより速くできる万能の機械ではありません。得意なのはあくまで特定の種類の計算に限られており、普段パソコンで行うような文書作成やインターネット閲覧などの用途では、従来型のコンピューターの方が適しています。「量子コンピュータが実用化されればすべてが解決する」といった過度な期待は禁物です。


