もう少し詳しく
「権限昇格」とは、システムやサービスの利用者に本来与えられていたよりも高い操作権限を、不正な手段によって獲得することです。英語では「Privilege Escalation」と呼ばれます。パソコンやサーバーには、一般利用者向けの限られた権限と、設定変更やソフトウェアの追加削除まで何でもできる管理者向けの権限が分かれて用意されていることが多く、権限昇格はこの境界線を不正に乗り越える行為を指します。
どこで使われるか
権限昇格という言葉は、不正アクセスやサイバー攻撃の技術的な解説の中でよく使われます。攻撃者がシステムに侵入する際、最初はごく限られた権限しか持たない侵入口からスタートすることが多いため、目的の情報にたどり着くには、途中で管理者権限を奪う権限昇格の手順を踏むことが一般的です。ソフトウェアの脆弱性情報の中にも、「権限昇格につながる脆弱性」として分類されるものが数多くあります。
身近な例
企業のシステムへの不正アクセス事件の報道で、「攻撃者は一般社員のアカウントに侵入した後、管理者権限を奪って社内システム全体にアクセスした」といった説明を見かけることがあります。この「管理者権限を奪って」の部分が、まさに権限昇格にあたります。最初の侵入口が小さくても、権限昇格によって被害が一気に拡大してしまう典型的なパターンです。
注意点
権限昇格を許してしまう脆弱性は、単独では被害が小さく見えても、他の脆弱性と組み合わさることで深刻な被害につながりやすいという特徴があります。ソフトウェアの提供元が権限昇格に関する修正プログラムを公開した場合は、優先度の高い更新として早めに適用することが望ましいとされています。

