もう少し詳しく
FinOpsとは、クラウドサービスの利用費用を、エンジニア部門だけに任せず、財務・事業部門も含めた複数の立場で継続的に管理していく考え方・実践手法のことです。「Finance(財務)」と「DevOps(開発と運用を一体で進める手法)」を組み合わせた言葉で、クラウドの利用量に応じて費用が変動する「従量課金」という特性に合わせて生まれました。あらかじめ固定の予算を確保して終わり、ではなく、利用状況を定期的に可視化し、無駄な支出を見つけて削減し、必要な投資は増やすというサイクルを繰り返す点が特徴です。
どこで使われるか
クラウド上でシステムを運用する企業の多くが、FinOpsの考え方を取り入れています。特に、利用量に応じて費用が大きく変わるAI機能(文章生成や分類などにAIモデルを呼び出す機能)を使う場合、何も対策をしなければ想定以上の費用がかかることがあるため、あらかじめ上限を設定したり、利用状況を監視したりする仕組みが重要になります。クラウド事業者各社は、管理者が費用の上限を設定できる機能や、利用量を可視化するダッシュボードを提供しており、これらはFinOpsの実践を支える道具として使われています。
身近な例
企業が社内システムにAIによる自動応答や文章の自動分類といった機能を組み込む際、その機能がどれくらいの費用を生むかを事前に見積もり、想定を超えたら自動的に止まる仕組みを用意しておく、といった取り組みがFinOpsの一例です。利用者から見れば裏側の話ですが、こうした管理がしっかりしているサービスほど、提供元の都合による急な値上げや、不透明な追加費用の発生を防ぎやすくなります。
注意点
FinOpsは、費用を削減することだけが目的ではありません。必要な投資を見極めて増やすことも含んだ考え方であり、単純にクラウドの利用を切り詰めることとは異なります。また、費用の上限を厳しく設定しすぎると、本来必要な処理まで途中で止まってしまう可能性があるため、業務への影響と費用管理のバランスを取りながら運用する必要があります。