もう少し詳しく

「エッジコンピューティング」とは、データが発生する現場に近い場所(エッジ、つまり「端」の意味)で、データの処理や計算を行う仕組みのことです。従来は、機器が集めたデータをすべて遠くのデータセンターでーたせんたー(大量のコンピューターをまとめて設置・運用する施設)やクラウドへ送り、そこで処理をしてから結果を返す方式が主流でした。エッジコンピューティングでは、機器のすぐそばや近隣の小規模な設備で先に処理を済ませてしまうため、データをやり取りする距離が短くなり、結果が返ってくるまでの時間(遅延)を減らせるという利点があります。

どこで使われるか

工場の生産ラインで異常をその場で検知する仕組みや、自動運転車が周囲の状況を瞬時に判断する仕組み、街中の防犯カメラが映像をその場で解析する仕組みなど、「一瞬の遅れが問題になる」用途で使われています。スマート家電やIoT(モノのインターネット)機器が増えるほど、すべてのデータを遠くのクラウドへ送っていては処理が追いつかなくなるため、エッジコンピューティングの重要性が増しています。

身近な例

スマートフォンの顔認証や指紋認証の多くは、写真や指紋のデータを外部のサーバーへ送らず、端末内部で処理を完結させています。これもエッジコンピューティングの考え方の一種です。また、家庭用のスマートスピーカーの一部機能や、ドライブレコーダーの危険運転検知なども、機器本体やごく近くの装置で処理を行うことで、通信環境に左右されずに素早く反応できるようにしています。

注意点

エッジコンピューティングは、通信の遅延を減らせる一方で、末端の機器そのものにも一定の処理能力とセキュリティ対策が必要になります。処理を行う機器の数が増えるほど、管理すべき機器・ソフトウエアの更新対象も増えるため、企業がエッジコンピューティングを導入する際は、クラウド側だけでなく機器側の脆弱性対策やアップデート体制も合わせて検討する必要があります。