もう少し詳しく

「多層防御」(Defense in Depth)とは、たった1つの対策が破られても、ほかの対策で被害を食い止められるように、複数の異なる防御手段を層のように重ねて組み合わせるセキュリティの考え方です。ファイアウォールや暗号化あんごうか、多要素認証たよういんしょう(MFA)など、それぞれ役割の異なる対策を組み合わせることで、1つの防御策の弱点を他の対策が補う構成を目指します。

どこで使われるか

企業のシステム管理やセキュリティ対策の設計では、多層防御は基本的な方針として広く採用されています。たとえば、外部からの侵入を防ぐ対策に加えて、万が一侵入された場合に被害を広げないための対策、重要なデータを見つけにくくする対策など、段階ごとに異なる防御手段を用意します。

身近な例

個人の対策でも、パスワードを複雑にするだけでなく、二段階認証を併用したり、重要なデータを別の場所にもバックアップしたりすることは、多層防御の考え方の一例です。1つの対策が突破されても、他の対策が最後の砦として残るようにしておく発想です。

注意点

多層防御は、対策を増やせば増やすほど安全になるという単純な話ではなく、重要な資産や想定される攻撃の経路に応じて、どこにどの対策を配置するかを設計することが重要です。対策の数が多くなるほど、それぞれの状態を把握・維持する手間も増えるため、継続的な点検や見直しも欠かせません。