30秒で分かる結論

パスワードを入力する代わりに、指紋認証や顔認証、画面ロックの解除だけでログインできる仕組みが「パスキー」です。Googleアカウントであれば、対応する端末で数分あれば設定できます。パスワードのように使い回したり、フィッシングサイトに入力して盗まれたりする心配がありません。

まず初めに

結論から言う。パスワードという仕組みは、そろそろ引退させてやったほうがいい。覚えるのは面倒、使い回せば危険、複雑にすれば今度は自分がログインできなくなる。パスキーは、その面倒くさい三択そのものを消してくれる。指紋か顔か、画面ロックの解除だけで済む。※個人の感想です

何が起きているのか

Google、Apple、Microsoftなど主要なサービスが、パスワードに代わる仕組みとして「パスキー」の導入を進めています。Googleのヘルプページによると、パスキーは端末の外に取り出したり、書き写したりできない形で保存されるため、パスワードのように使い回しや漏洩によって流出する心配がありません。

なぜ重要なのか

パスワードは、使い回しや漏洩によっていつか破られる前提で考える必要がありますが、パスキーは端末に保存された鍵情報と生体認証せいたいにんしょうを組み合わせる仕組みのため、偽のログイン画面に情報を入力してしまっても、そもそも盗まれる対象がありません。Googleのヘルプページでも、パスキーはフィッシングなどの脅威への対策として案内されています。

これはパスワードの管理を工夫して安全性を上げる話とは根本的に違います。「盗まれても使えない仕組み」ではなく、「そもそも盗む対象自体が存在しない仕組み」だという点が、パスキーとパスワードの決定的な違いです。

スマートフォンの指紋認証アイコンと鍵マークが組み合わさったイラスト

設定の手順(Googleアカウントの場合)

Googleアカウントでパスキーを設定するには、あらかじめスマートフォンの画面ロックをオンにしておく必要があります。iPhoneやiPad、Macを使う場合は、iCloudキーチェーンもオンにしておきます。

  1. ブラウザで myaccount.google.com/signinoptions/passkeys を開く
  2. 「パスキーを作成する」をタップする
  3. 画面の指示に従ってデバイスのロックを解除する

複数の端末を使っている場合は、それぞれの端末で同じ手順を繰り返します。Googleのヘルプページによると、対応デバイスはWindows 10以降、Android 9以降、iOS 16以降、対応ブラウザはChrome 109以降、Safari 16以降などです。

なお、iPhoneやMacなどApple製品でもFace IDやTouch IDを使ったパスキーに対応しています。設定方法はAppleの公式サポートページで案内されています。

「結局パスワードは必要なの?」という疑問

パスキーを設定した後も、「パスワードは完全に不要になるのか」という疑問を持つ人は多いはずです。現時点では、多くのサービスがパスキーとパスワードの両方を並行して使える状態を維持しています。これは、まだパスキーに対応していない端末やブラウザを使っている利用者への配慮という側面が大きく、対応が広がるにつれて、パスワードだけを別途覚えておく必要性は徐々に薄れていくと考えられます。とはいえ、当面はパスワードを完全に忘れてよいわけではなく、パスキーが使えない場面に備えて、パスワード管理ツールなどでの管理も並行しておくのが現実的です。

初心者が知っておくべきこと

パスキーを設定しても、それだけで既存のパスワードが自動的に消えるわけではありません。サービスによっては、当面パスワードでのログインも並行して使える場合があります。

また、パスキーは端末に保存される情報です。機種変更の際は、新しい端末で作り直すか、サービスごとの引き継ぎ手順に従う必要があります。認証アプリの移行と同じように、古い端末を初期化する前に、新しい端末でパスキーが使える状態になっているかを確認しておくと安心です。

複数のスマートフォンやパソコンが1つの鍵アイコンでつながっている図

家族に勧めるときの注意点

パスキーは、パスワードを覚えるのが苦手な人ほど恩恵が大きい仕組みです。特に高齢の家族にとっては、複雑なパスワードを毎回入力するより、指紋や顔だけでログインできるパスキーのほうが、心理的なハードルが低いことが多くあります。ただし、生体認証を使うためには、まず端末の画面ロック自体が有効になっている必要があります。パスキーを勧める前に、そもそも画面ロックが設定されているかどうかから確認してあげると、スムーズに導入できます。

IT Postの見方

IT Postでは、パスキーの普及は「セキュリティの強化」だけでなく、「パスワードを覚える・使い回す負担そのものをなくす」という利用者側の負担軽減としても評価すべきだと考えます。

複雑なパスワードの管理は、IT機器の操作に不安がある人ほど負担になりがちです。生体認証だけで済むパスキーは、そうした人にとってもハードルの低い選択肢になり得ます。安全性と手軽さが同時に手に入る仕組みは珍しく、導入しない理由を探すほうが難しいくらいです。※個人の感想です

今後どうなりそうか

主要なサービスでパスキー対応が広がっており、当面はパスワードと併用できる形が続くと見られます。対応しているサービスから順に、パスキーを設定しておくことをおすすめします。