30秒で分かる結論
Googleが運営する無料ブログサービス「Blogger(Blogspot)」で、2026年8月4日(米国時間)以降、実際にはマルウェア(悪意のあるプログラム)に感染していない多数のブログが、「マルウェアおよび類似の悪質なコンテンツに関するポリシー」違反としてロック・非公開化・削除警告の対象になる誤検知が発生しました。Googleの公式サポートフォーラム「Blogger Community」に立てられた関連スレッドには、同じ問題を報告する「同じ質問があります」の投票が500件を超え、返信も200件を超えました。Googleはこの問題について、一部のサイトを誤ってマルウェアとしてフラグ付けするバグが原因だったことを認め、修正に取り組んでいると説明しています。ただし、影響を受けたブログの正確な件数は公表されていません。
まず初めに
「AIが誤診断で人間の仕事を奪う」なんて心配する前に、まずは自分の会社の自動判定システムがまともに動いているか確認したほうがいい。何年もまじめにブログを書いてきた個人が、ある日突然「お前はマルウェアだ」と一方的に宣告され、削除まで89日のカウントダウンが始まる。理由の説明は、ほぼない。世界最大級のIT企業が作った自動判定システムが、著作権保護用の暗号化スクリプトを「怪しい難読化コード」と勘違いしただけらしいが、疑いをかけられた側からすれば、たまったものではない。※個人の感想です
何が起きているのか
複数の海外メディアの報道によると、2026年8月4日(火、米国時間)から、Bloggerで運営されているブログが、Googleの「マルウェアおよび類似の悪質なコンテンツポリシー」に違反しているという通知とともに、ロック・検索結果からの非表示・削除警告の対象になり始めました。対象になったブログの中には、12年、18年にわたって運営されてきたものも含まれており、Googleの検索管理ツール「Search Console」やGoogleの安全ブラウジング機能「Safe Browsing」上では、いずれも問題が検出されていなかったと報じられています。
長年の実績を積んだブログほど、機械の目には「怪しい」と映ったらしい。
Googleのサポートフォーラムでは、Blogger製品のエキスパート(Google Product Expert)が、同じ理由でブログがフラグ付け・ロックされたという報告がこの日だけで非常に多く寄せられており、自動システムによる誤判定が疑われる旨、また誤検知自体は時々起こるものの、これほどの規模は異例だという趣旨の説明を投稿しています。Google側は正式に、一部のサイトを誤ってマルウェアとしてフラグ付けするバグがあったことを認め、修正に取り組んでいると説明していますが、バグそのものの原因や、影響を受けたブログの件数については明らかにしていません。コミュニティ内の初期分析では、人気の高い無料の第三者製テンプレートに組み込まれている著作権保護用の暗号化スクリプトを、自動検知システムが「難読化された悪質なコード」と誤認識した可能性が指摘されていますが、これはGoogleの公式見解ではなく、あくまで利用者側による推測です。
なぜ重要なのか
今回の誤検知で影響を受けたとされるブログの一部には、通知メールやダッシュボード上に「コミュニティガイドライン」への違反を理由とする表示とともに、89日後に完全に削除されるというカウントダウンが表示されていたと報じられています。これは、フラグ付けされたブログに対してGoogleが設けている猶予期間で、その間に審査請求(レビューリクエスト)をしなければ、最終的にブログ自体が削除されてしまう仕組みです。
自動判定システムによるコンテンツの取り締まりは、Bloggerに限らず、検索エンジンやSNS、メールの迷惑メールフィルターなど、さまざまなオンラインサービスで広く使われています。今回のように、実際には問題のないコンテンツが大規模に誤検知の対象になった場合、利用者側から見れば「なぜ自分が対象になったのか」が分かりにくいまま、収益源や情報発信の場を一時的、あるいは恒久的に失うリスクがあるという点が、今回の騒動が注目された理由です。
私たちへの影響
Bloggerで長年ブログを運営している人、特に無料で配布されている第三者製のテンプレートを利用している人は、今回の対象になっていないか確認しておくとよいでしょう。Google側の報道時点での説明では、8月4日から5日にかけて発生した問題で、一部のブログは1日程度で自動的に復旧したケースもあると報じられています。
Blogger以外のサービスを使っている人にとっても、無料のプラットフォーム1つに情報発信をすべて依存していると、今回のような自動判定の誤りによって、ある日突然コンテンツへのアクセスができなくなるリスクがあるという教訓は共通しています。
初心者が知っておくべきこと
自動判定システムが、本来は問題のない対象を誤って「危険」「不正」と判定してしまうことを「誤検知(フォールスポジティブ)」と呼びます。判定の基準を厳しくするほど、本当に危険なものを見逃しにくくなる一方、問題のないものまで誤って検知してしまう可能性も高まるという、トレードオフの関係があります。
海外メディアの報道では、ブログが削除・ロックされてしまった場合、Bloggerのダッシュボードから審査請求(レビューリクエスト)を提出することに加え、Googleが提供するデータのエクスポート機能「Googleテイクアウト(Google Takeout)」を使って、日頃からブログのデータをバックアップしておくことが勧められています。
よくある質問
Q. 自分のブログが対象になっているか確認するには?
Bloggerのダッシュボードに、コミュニティガイドライン違反や削除までの日数を示す警告表示が出ていないか、また心当たりのない通知メールが届いていないかを確認します。表示がなければ、現時点では対象になっていない可能性が高いといえます。
Q. 対象になってしまった場合、どうすればよいか?
Bloggerのダッシュボードから審査請求(レビューリクエスト)を提出することが、報じられている対応方法です。あわせて、Googleテイクアウトなどを使ってブログのデータを普段からバックアップしておくと、万が一の際にも被害を抑えられます。
IT Postの見方
IT Postでは、Googleがバグを認めて修正に動いたこと自体は評価できると考えます。一方で、何年もかけて築いてきた個人や小規模事業者の発信の場が、説明の乏しい自動判定ひとつで一時的に失われかねない設計になっている点は、看過できない問題だと考えます。とりわけ、削除までのカウントダウンという強い措置が、人間による確認を経ないまま自動的に発動する仕組みは、便利さの裏側にあるリスクを改めて示したといえるでしょう。巨大プラットフォームに依存する個人・中小事業者ほど、こうした自動判定の誤りによる不利益を一方的に被りやすいという構造は、IT Postとして今後も注視していくべき論点だと考えます。
今後どうなりそうか
Googleは本記事執筆時点で、今回のバグの詳細な原因や再発防止策について、公式ブログなどでの説明を行っていません。IT Postでは、Googleから正式な説明や再発防止策が公表された場合には、あらためて取り上げます。




